マロティ‐ドラケンスバーグ公園

マロティ‐ドラケンスバーグ山脈の風景美と人類の痕跡。2000年に登録された南アフリカ共和国の「ウクハランバ／ドラケンスバーグ公園」に、レソトのセサバテーベ国立公園が追加登録された。山脈の一部をなす一帯は、美しい山岳風景と、多彩な生息環境が育む多くの動植物を特徴とする一方で、先住民が4000年以上かけて描き続けてきた壁画が、3万点以上も残されている。ドラケンスバーグ公園の素晴しい自然の景観のなかには、たくさんの洞窟や岩窟住居が見られ、4000年以上も前にサン人によって描かれたさまざまな壁画が残っている。多くは過去300年間に描かれたものであり、ドラケンスバーグは19世紀後半まで、サン人の居住地であった。壁画は儀式の場に描かれたと推測され、今日では居住地を離れて暮らす人々の精神世界の象徴になっている。